2020/12/12葛飾北斎の諸国名橋奇覧
「足利行道山くものかけはし (あしかがぎょうどうさんくものかけはし)」
今回から、橋シリーズです。「奇覧」(奇:不思議、神秘的、珍しいなど・覧:広く見渡す)ですので、実際の風景を踏まえて北斎の想像力を生かして行ってみたい橋の在る風景画になっています。
画面の右上に在るのが、行道山浄因寺の本堂です。山岳信仰の霊場です。題名の「くものかけはし」は、画面の左中央から画面の右上に走っている白い雲を指していると思います。
肌で感じられる奥深い山の空気です。絵に内在しています。勇壮とそびえ立つ山に、「くものかけはし」です。
この、発想が実に素晴らしいと思います。