2020/10/13西洋の美術史を見ると、第2次世界大戦後は、美術という概念よりは芸術という概念が勝っていると思います。新しい表現に価値が置かれています。表現するものが美ではなくて観念です。新しい世界観の表現です。古い価値観を破壊して新しい価値観を創り上げる芸術そのものに、歴史上の意味を見い出そうとしていると思います。
その観念の現実性がどうなのかが、その作品の価値評価に繋がっていると思います。果たして、そういう新しいものには価値が有ると判断しているその判断は正しいものなのかどうか、これからの歴史を創って行くものなのかどうか、私は疑問に思います。日本の美術界もこうした流れの中に在ります。
マスメディアが広めて価値を置こうとする新しいものへの信頼性は、果たして価値あるものなのかどうか、問う力が大切です。脈々と伝えられる文化は、物質文明をたえず超越しています。
温故知新、故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る。(デジタル大辞泉 - 温故知新の用語解説 - 《「論語」為政から》過去の事実を研究し、そこから新しい知識や見解をひらくこと。)美は永遠に人の心に在るものだと思います。
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