2023/09/13
「絵の世界」を考える⑰
葛飾北斎の作品「諸国名橋奇覧 飛越の堺つりはし」です。日本は日本固有の美術史があります。歴史の長い国ですから多くの世界遺産を有しています。その時代が後世の時代に伝えている文化遺産です。この江戸時代は鎖国していて他国の文化が我が国の文化と競い合う事もありませんでした。我が国の中で競い合っていたのです。そうした点で実に高度な洗練された文化を生み出しました。現実感を有する絵を求めていた時代です。絵の虚構の世界に現実感を持たせようとしていたのだと捉えています。だから、もう一方では絵の見る楽しみも求めていました。ありそうでなさそうな理想の現実世界です。つまり虚構の絵の世界そのものです。開国以後、西洋の美術観を取り入れ伝えられている日本の文化に吸収し消化しようとしました。この事は普段の生活の変化と相関しています。そして、この流れは今日でも続いています。もう少しこの点を考えて行きます。