葛飾北斎の「凱風快晴」です。よく知られている絵の一つです。快晴の富士山の風景を単純明快に色と形で構成しています。多色刷りの木版画(錦絵)ですので、平坦な色使いとなって表現されます。当然ですが筆を使った筆触が見られません。リトグラフと似通っています。扱う表現材料によって筆使いは異なります。ゴッホの筆使いは油絵の具によってなされる材質表現であり、版画の平坦な材質とは異なります。私はアクリル絵の具を表現材料にしています。印刷のような色使いと筆触を求める色使いが同時になされる表現材料です。今回の制作ではこの平坦な材質と重ねる筆使いを意識しながらアクリル絵の具を使ってみます。