葛飾北斎の作品「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」です。1831-33年(天保2-4年)頃、 多色刷木版画です。どう表現するかという課題に対しての創意工夫が全てだと考えられます。波をこの絵のように表現している絵は他に知りません。波の荒々しさと人と富士山という自然が見事に調和しています。自然と共に生きて来ている日本の文化が表現されています。歴史やその歴史を培って来た我が国の心が背景として表現されています。こうした絵を見るとヨーロッパを中心とした西洋絵画とは異質の洗練された日本の絵画が存在します。自由な発想でどうその対象の主題テーマを表現するのか。考えて行きます。