私の「生きる記録」~絵画作品の発表など~

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「きょうという日」:室生犀星

きょうという日 時計でも 十二時を打つとき おしまいの鐘をよくきくと、 とても 大きく打つ、 きょうのおわかれにね、 きょうがもう帰って来ないために、 きょうが地球の上にもうなくなり、 ほかの無くなった日にまぎれ込んで なんでもない日になって行くからだ、 茫々何千年の歳月に連れこまれるのだ、 きょうという日、 そんな日があったか知らと、 どんなにきょうが華かな日であっても、 人びとはそう言ってわす...

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「星とたんぽぽ」:金子みすゞ

星とたんぽぽ 青いお空のそこふかく、 海の小石のそのように、 夜がくるまでしずんでる、 昼のお星はめにみえぬ。 見えぬけれどもあるんだよ、 見えぬものでもあるんだよ。 ちってすがれたたんぽぽの、 かわらのすきに、だァまって、 春のくるまでかくれてる、 つよいその根はめにみえぬ。 見えぬけれどもあるんだよ、 見えぬものでもあるんだよ。 「見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。」優しく包...

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「月夜の浜辺」:中原中也

月夜の浜辺 月夜の晩に、ボタンが一つ 波打際(なみうちぎわ)に、落ちていた。 それを拾って、役立てようと 僕は思ったわけでもないが なぜだかそれを捨てるに忍びず 僕はそれを、袂(たもと)に入れた。 月夜の晩に、ボタンが一つ 波打際に、落ちていた。 それを拾って、役立てようと 僕は思ったわけでもないが 月に向ってそれは抛(ほう)れず 浪(なみ)に向ってそれは抛れず僕はそれを、袂に入れた。 月夜の晩に...

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「雨ニモマケズ」:宮沢賢治

「雨ニモマケズ」雨にもまけず 風にもまけず 雪にも夏の暑さにもまけぬ 丈夫なからだをもち 欲はなく 決して怒らず いつもしずかにわらっている 一日に玄米四合と 味噌と少しの野菜をたべ あらゆることを じぶんをかんじょうに入れずに よくみききしわかり そしてわすれず 野原の松の林の蔭の 小さな萓ぶきの小屋にいて 東に病気のこどもあれば 行って看病してやり 西につかれた母あれば 行ってその稲の束を負い...

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「山のあなた」:カール・ブッセ、訳ー上田敏

「山のあなた」山のあなたの 空遠く「幸い」住むと 人のいう噫(ああ)われひとと尋(と)めゆきて涙さしぐみ かえりきぬ山のあなたに なお遠く「幸い」住むと ひとのいう挑戦し続ける事の大切さを想います。きっといつかは幸に報われると信じる事は今の心の慰めと元気に繋がります。...

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