• 「失われた時を求めて」第三篇 文庫第五巻・文庫第六巻・文庫第七巻 プルースト 吉川一義 訳 (岩波文庫)
    2021/8/27第三篇「ゲルマントのほう」 *第三篇は文庫第七巻までなのですが、一気に感想文として記事にすると長くなりそうなので、2回に分けて、第五巻・第六巻と第七巻、それぞれの感想文とします。今回は第五巻第六巻です。 第五巻 ゲルマントのほうⅠ この小説に読み慣れて、何となく感覚で捉えられていた作者のものの見方や考え方が、少しは理解出来るようになって来ています。「われわれがなにかを感じる世界と、考えたり...
  • 「失われた時を求めて」第二篇 文庫第三巻・文庫第四巻 プルースト 吉川一義 訳 (岩波文庫)
    2021/6/22第二篇「花咲く乙女たちのかげに」 文庫第三巻『スワン夫人をめぐって』 文庫第四巻『土地の名―土地』 第三巻は、 社交風俗を描いています。スワンの恋から十数年の年月が経過しています。1890年代中葉の1年半の物語です。パリの住居に電気や電話が引かれはじめた頃の事です。日常の自我と創造する自我の乖離。恋愛という心的現象がいかに主観的なものであるかを、執拗に描いています。愛する人を目の前にすると、ど...
  • 「失われた時を求めて」第一篇 文庫第一巻・文庫第二巻 プルースト 吉川一義 訳 (岩波文庫)
    2021/3/30第一篇「スワン家のほうへ」 文庫第一巻『コンプレー』 文庫第二巻『スワンの恋』『土地の名―名』 第一巻の最初が、読み慣れるまでが大変で時間がかかりました。私は、二度読み直しました。しかし、訳者あとがきで述べられているように、この最初のオペラでいうところの序曲を読み終えると、不思議と慣れて来たのか、それから以後は読めました。 しかし、ふっと、気が散って長い文章の一部が読めなくなると、小説...
  • 「夜明け前」全4巻 島崎 藤村 (新潮文庫)
    2021/1/29読み応えが有りました。質の高い読み物です。また、分かり易い筋書きでも有ると思います。そして、今日的意義を持った作品です。 黒船襲来から王政復古から明治の初期までの時代背景が有ります。江戸から明治という、徳川幕府体制から王政復古という、全く質の異なった体制創りの根本には、「草叢(くさむら)の中」からの原動力が働いたとする作者の歴史観に、私は共感を覚えました。 黒船襲来によって、世界と関...